毒親育ちのお金事情3-1. 投資する:なぜ投資をする必要があるのか

こんにちは。
「毒親育ちのお金事情」の「4 投資する」のはじめに、
なぜ投資をする必要があるのか?ということについてお話しいたします。
(マクロ経済、金融政策、投資理論については、
 経済学や投資を学ばれたことが無い方でも分かりやすいよう、
 噛み砕いた言葉で説明をしております)


そもそも論として、私は、
「無理してまで投資する必要は無い」と考えています。
例えば、
・高収入で、現役時代の収入だけで老後は困らない
・親から莫大な遺産を相続することがほぼ確定している
・とにかく、難しいことも考えたくないし、
 ストレスも抱えたくない
という方は、無理に投資をする必要は無いと考えています。

ただ、
・収入が多くない、又は/かつ、収入が不安定であり、
 現役時代に十分な貯蓄ができるか不安がある
・臨時収入(莫大な遺産等)の見込みもない
・多少の努力とストレスは厭わない
のであれば、人生のQOLを上げる手段の一つとして、
投資を学ぶことも良いのではないかと考えています。


なぜ投資をする必要があるのか?という問いに対して、
様々な答えが想像され得りますが、
私からは以下の2点を特にお伝えしたいと思います。


①世界各国の金融政策
現在、日本を含む多くの国が、
金融政策においてインフレターゲティングを行っています。

インフレとは、簡単に言えば、100円のパンが1年後に103円に値上がりするように、
物価が上がることです。(この場合は年3%のインフレ)
インフレの目標を定めて、緩やかにインフレを進めると、
・将来設計のメドが立ちやすくなるため、
 人々がローンを組んで家や車を購入し、経済が豊かになる
・借金が実質的に目減りするため、借金をして事業をするインセンティブになり、
 事業で雇用が生まれ、経済が豊かになる
といった効果があります。

ですが、逆に、
・現在、100円貯金があれば買えたパンが、来年は103円に値上がりしてしまい、
 貯金でパンが買えなくなる
と、現在持っている貯金の価値が実質的に目減りしてしまうのです。
つまり、単に貯金しているだけでは、そのお金の価値が失われてしまうので、
お金の価値を維持あるいは高めるためには、
インフレに負けないように、貯金を成長させる必要があります。


②政府の財政出動の後始末
日本を含む先進国では、様々な行政需要に対応するため、
お金のかかる政策をしています。
その結果、人々から徴収する税金では賄いきれず、
(赤字)国債を発行しています。

借金をし続ける人の信用力が失われてしまうように、
国も借金を(国債を発行)し続ける訳にはいきません。

ですから、国も信用力を保つために、
・借金を減らす努力をする
 (年金削減など財政出動を控える、緊縮財政を行う)
・借金を返す努力をする
 (税率を上げて、国の収入を増やす)
といった政策を行う必要があります。

年金が目減りして、税金も増えてしまったら、
可処分所得が減ってしまう、
そしてそんな未来が来る可能性があるということです。



以上のような状況に負けずに、
経済的に自由な生活を謳歌するためにも、
特に自分が労働できなくなる老齢期に備えて、
資産形成をする必要があると、私は考えています。


例えば、投資をすると、どんなふうに資産が増え、
あるいは、資産の目減りを防げるかについて、考えてみましょう。


例えば、アメリカの株式市場は、中長期的に見れば、
ドットコムバブル崩壊、リーマンショック、などという株式下落時期も含め、
平均して年6%以上の成長を遂げてきました。

以下、計算が簡単になるよう、米国株を想定してご説明します。

仮に、購入した株が毎年6%値上がりし、
毎月5万円株を追加購入する生活を、25歳から65歳までの40年間続けると、
原資は5万×12か月×40年で2,400万円であるにも関わらず、
資産は約1億円まで成長します。
(なお、条件を年5%の値上がりに変えると、7,600万円になります)

仮に、投資がうまくいかず、資産が6,000万円までしか成長しなかったとしても、
単純に月20万円取り崩すと25年しか持たないのですが、
年3.5%の値上がりを目指して運用しながら取り崩すと、
同じ月20万円の取り崩しをしても、59年と半年、持ちこたえられます。
なので、65歳で労働市場から引退しても、124歳まで、お金の心配をしなくて済みます。

少し、条件を変えてみましょうか。

例えば、購入した株が毎年5%値上がりし、
毎月5万円株を追加購入する生活を、35歳から65歳までの30年間続けると、
原資は5万×12か月×30年で1,800万円であるにも関わらず、
資産は4,100万円まで成長します。

仮に、投資がうまくいかず、資産が3,500万円までしか成長しなかったとしても、
単純に月20万円取り崩すと17年しか持たないのですが、
年3.5%の値上がりを目指して運用しながら取り崩すと、
同じ月20万円の取り崩しをしても、20年と半年、持ちこたえられます。

つまり、何が言いたいかと言うと、
・運用をすると、資産を増やすことが可能になる
・運用をすると、資産を取り崩しても、資産を延命しやすくなる
ということです。

もちろん、株式市場が悪化し、資産が目減りする可能性はありますが、
長期的に投資をすることで、目減りする可能性が弱まり、
資産の変動幅(上がりすぎ・下がりすぎの、上振れ・下振れリスク)が
狭まると言われています。


上述したとおり、株式市場が悪化すれば、資産が目減りする可能性もあります。
なので、「100万円投資して、数年、30万円損する状態が続いても、
ショックを受けないか?」など、資産が目減りしても大丈夫だと思える範囲で
投資するのが良いのではないかと考えます。

私自身は、資産の大半が株式なので、
「資産が半値になっても、10年間くらい困らないで生活できるか?」
を自分に問いかけながら投資をしています。

このような問いかけをすることであったり、
リスクを承知で投資することに抵抗がある方は、
無理して資産運用をする必要は無いと、私は考えます。
(その場合は、絶対に健康で過ごし続け長く労働市場にとどまる
 方策を考えたほうが無難かと思います)



以上の話を踏まえ、資産運用に関心を抱かれた方は、
以降の記事をお読みいただければと思います。
(また、読んだ上で、「投資は無理だ」という判断があることも当然です)


ご参考までに、私の話と比較的近くて、分かりやすい動画を2つご紹介します。



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