葬儀どうする? 〜疎遠にしていた祖母が亡くなりました

絶縁していた毒実家(父方)の祖母が亡くなりました。
よく、毒親育ちの方から、「冠婚葬祭はどうするのか」というご相談をいただくので、
今回、祖母が亡くなったときにしたこと・考えたことをまとめました。

※相続関係の手続きや、考えたことについては、別の記事にまとめる予定です(手続きの進捗次第ですが、2023年の年末に記事化の見込み)

1.祖母との最近の距離感
2.祖母に対する気持ち
3.毒親・毒家族の葬儀への出欠席の判断基準(案)
4-1. 祖母について、私はどうしたか
4-2.毒母の場合はどうしたいか(参考)
5.祖母とお別れをして思ったこと
6.今後の親戚付き合いについて考えていること
7.振り返り
8.毒親育ちの方へのメッセージ


1.祖母との最近の距離感

祖母とは2019年1月に絶縁しました。
夫の希望(結婚式に祖父母を呼びたい)があり、2022年秋に会い、
2023年1月の結婚式に呼びました。
また、2023年4月に、私の叔母(父の妹)の新居(2つ目)のお披露目パーティーがあり、その際に少し挨拶をしました。
それから2か月後の6月頭に、祖母は亡くなりました。


2.祖母に対する気持ち

縁を切ったときから4年経過し、気持ちが落ち着いており、穏やかな気持ちです。

縁を切る前は、祖母に対して怒りがありました。
・他の孫と比べると、可愛がってもらえなかった(いわゆる「孫差別」)
・祖父に同調していた
・私の母(毒母)の悪口を言われた
・毒母と折り合いが悪く、結果的に、伯母(父の姉。故人)と一緒に私の母をいじめる形になり、母の「毒母化」を加速させた

とは思いつつも、毒母や祖父ほど加害性は強くないので、
どちらかというと、「縁を切ってしまっていいのだろうか」と悩んだ相手ではあります。

似たような毒家族問題で例えるならば、「毒親の言動を傍観したり、ちょっと自分をいじめていた兄弟に対する気持ち」
職場で例えるならば、「上司のパワハラを傍観したり、ちょっと自分に嫌がらせをしてきた同僚に対する気持ち」
学校で例えるならば、「いじめを傍観したり、ちょっと自分をいじってきたクラスメイトに対する気持ち」
に近いかもしれません。
積極的に好きにはなれないけれども、嫌いになるほどの熱量はない相手。

世代が世代だから仕方がない(夫に従うことが当たり前)とも思いつつ、
私の祖母は名家の出身でかなりの金額の資産を持っており、夫と別れても生きていける身分なので、夫の顔色を伺う必要はないはず…。
だから、「夫(私の祖父)を放置したということは、夫と同じ意見か、私に対して気持ちがなかったということ。私もエネルギーを使わなくていいかな」と整理して、
「祖母自身に対してはグレーだけど、祖父とセットで絶縁」という対応をしました。

祖父がいるから、一緒に住民票の閲覧制限の対象者にしたし、縁も切っていたけれども、
もし毒家族との絶縁前に祖父が亡くなっていたなら、祖母とは縁は切らなかっただろうな(縁を切ったのは毒母と母方の親族だけだろうな)、というところです。


3.毒親・毒家族の葬儀への出欠席の判断基準(案)

基本的に、自分の気持ちを最優先にしていい、と思います。

しかし、
・他の親戚との関係性
・自分が結婚した家族との関係性
など、自分を取り巻く人間関係を踏まえて、ある程度「妥協」することも、「大人」の選択肢としてあり得るとも考えます。

例えば、
「行きたくない」という気持ちが強い、でも、お世話になった親戚の⚫︎⚫︎さんとの関係上、行かないと申し訳ない気持ちになってしまうので、毒親の葬式に行った方がストレスがないかもしれない
といった「こっちの方がマシ」という選択もあり得るということです。


4-1. 祖母について、私はどうしたか

祖母が亡くなったことは、いとこから連絡を受けました。
反射的に、「お葬式に行こう」と思い、予定表を見て、「リスケジュールなど調整する予定もないな」と確認しました。

正直、「祖父に会いたくないから、お葬式に行きたくないな」とも思ったのですが、 「でも、亡くなったのは約20年一緒に暮らしたおばあちゃんだし、これが最後だもんな…」と思いました。

加えて、人間関係的な要素として、
・叔母(父の妹)、いとこ(父の姉の子どもたち)との関係性
が気になり、また、
・夫の家族との兼ね合い(一般的に葬式は6親等以内の血族、3親等以内の姻族が出席対象者だから、夫の家族の出席問題もあるし)
も気になる、といったところです。

しかし、私は妊婦で、お葬式の時期は臨月でした。
・一般的に、妊婦は冠婚葬祭への出席が望ましくない(今回の場合、お葬式の最中に産気づくと、お式の進行に迷惑をかけてしまう)
・出産予定日が近づくと、分娩予定病院の近くにいるように言われる(私の場合、病院まで、できれば徒歩圏内、どんなに遠くても車で30分で行けるところにいなさい、と病院から指導を受けていました)
という事情もあり、お葬式への出席は困難でした。
※実際、お式の数日後に本陣痛と勘違いするほどのかなり痛い前駆陣痛で病院に行ったので、あの激痛がお葬式の最中に来て、お式の間に絶叫するハメになっていたらと思うと、臨月の葬儀参加は無理でした…。

とはいえ、臨月だから私はお葬式に出席しないとしても、
・夫の出席はどうするか(せめて自分1人で行くよ、と夫は言ってくれているものの、なんだか申し訳ない)
・叔母やいとこに葬儀を丸投げして、それでいて自分が気になっている点(夫の家族の出欠の要否。今後の相続手続きなど)を聞くのも申し訳ない
といったこともあり、考えた結果、
「本当はもう臨月だから出歩いたらいけないんだけれども、短時間でも祖母のお顔を拝見しに…」
という形で、夫とともに祖父宅に行き、祖母にお線香をあげることにしました。
※連絡をもらったのが午後1時で、自宅を出て祖父宅に向かったのが午後3時なので、約2時間、「何がベストな対応か」と検討した次第です。

祖父宅には、いとこ(伯母の子どもたち3人)が参集していました。
※祖父母の子どもは、私の父のほか、伯母と叔母がいるのですが、父と伯母は故人です。このため、父の名代が私、伯母の名代がいとこ3人、という状況です。
※ちなみに叔母は遠方にいたため、この日の翌日に祖父宅に来ました。

祖母にお線香をあげ、香典を祖父に渡し、
・家族葬の範囲の確認(→夫の家族は参列不要)
・香典とお花の扱いの確認(→夫の家族は不要)
・私が臨月なので、私も夫もお葬式に参列しない旨伝える
・私のお腹の子のお祝いの扱いの確認(→喪中は気にしなくて良いとのこと)
という対応を行いました。


4-2.毒母の場合はどうしたいか(参考)

いまの時点では、
・絶対にお葬式に関わらない
・死んだと分かった時点で、即座に相続放棄の手続きをする
という考えです。

夫やその親族との関係性上、毒母との絶縁継続は問題なさそう、と思っています。
また、毒母の親族とも絶縁しており、父方ほど親族関係に気を使う必要もないという考えです。

母が亡くなった場合には、
・母の内縁の夫が生きている場合…弁護士などの代理人
・母の内縁の夫が死亡している場合…役所の方
から母の死について連絡があると思います。

どちらにせよ、お葬式は欠席、遺骨の引き取りも拒否します。

前者の場合、かつては、「慰謝料がわりに相続財産をもらおうかな」とも思っていたのですが、今となっては面倒くさいし、母に借金があるかもしれないので、相続放棄です。
後者の場合は、「私に借金を負わせるために、借金しまくっていそう」と思っており、今も昔も考えは変わらず、相続放棄一択です。
ということで、いずれのケースも、相続放棄です。


5.祖母とお別れをして思ったこと

祖父宅の祖母の遺体を見て、「幸せだったんだろうな。よかったね」と思いました。
亡くなった日、朝のお散歩に出かけ、食事をし、食後のひと休み的な感じでベッドに行き、ベッドで仮眠して、そのまま心不全で苦しまずに亡くなったとのことでした。
頬がふっくら、つややかで、眠るような表情でした。

亡くなってすぐに孫のうち成人した4人全員が自宅に駆けつけてくれて、残した夫と共に夕ご飯を食べてくれる。
(※私が祖父宅に行った日、祖父といとこ3人と私たち夫婦の6人で、自宅で夕ご飯を食べました)
5人の孫に恵まれて、うち成人した4人は結婚し、ひ孫4人(と、私のお腹の子)にも恵まれた。

結婚や子どもが全てではない、という世の中になりつつありますが、
「健康で長生きして、子孫に囲まれて死ぬ」が理想という年配の方も多いので、
そういった意味で、祖母は本人の希望が叶った、「幸せな最期」だったのではないかと思いますし、
希望を叶えられてよかったね、と思います。


6.今後の親戚付き合いについて考えていること

・四十九日は不参加(私の出産予定日間近のため)
で、
・赤ちゃんの体調を見て、赤ちゃん連れでお線香を数ヶ月後にあげに祖父宅に行く
・1周忌、3回忌などの法事には顔を出す
など、無理のない範囲でお付き合いはするつもりです。

でも、今後も引き続き、
・亡くなった私の父の法事(もう13回忌も終わったので、する必要はないと主張する)
・祖父主催の新年会
は断ろうと思っています。

いとこたちは、私の祖父母と関わってきましたが、
祖父母と20〜40代にかけて絶縁していた叔母は、
・祖父母の金婚式…欠席(叔母の夫が代理出席。叔母の子も欠席)
・祖父母主催の新年会…毎年欠席(叔母一家から誰も来ない)
という状況ですし、私も無理せずに、と考えています。


7.振り返り

毒家族との絶縁から数年経って、解毒し、幸せに生活しているので、毒母や祖父に対する気持ちが落ち着いていますし、「いわんや祖母をや」というところです。

いまは気持ちが落ち着いていますが、もし、数年前に祖母が亡くなっていたら、こんなにも気持ちが穏やかではなかったかもしれません。
逆に、祖母が亡くなったのが数年前だったら、絶縁した罪悪感で心が揺れていたかもしれません。

長生きしてくれてありがとう。
幸せな最期だったね。
…と、普遍的かつ一般的に思うようなことを祖母に対して思い、静かに弔う、そんな気持ちです。


8.毒親育ちの方へのメッセージ

毒家族のお葬式に参加するかどうかは、あなたの気持ちや考え次第でいいと思います。

そして、毒家族の死に対して、どんな気持ちになったとしても、自分を責める必要はありません。

あなたが相手からされたこと(良い思い出も悪い思い出も含めて)は、あなたにしか分かりません。

あなたの意思はあなたのもので、あなたの気持ちは誰かにジャッジされるものではありません。

自分に対して正直に生きましょう。

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